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【公共施設】世界一美しいスタバと公園の維持管理 ー都市公園法と民間参入ー

世界一美しいスタバ 

 突然ですが、世界一美しいスタバはどこにあるでしょうか。

世界一美しいスタバは富山市の富岩運河環水公園という都市公園(総合公園)の中にあります。

このスタバの魅力は他の記事に譲る(ググって頂ければ記事はたくさんヒットします)として、ここでは公園の維持管理の観点から公園内スタバについて考えてみたいと思います。

 

【富岩運河環水公園内のスタバ】 

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(出所:富岩運河環水公園 - Wikipedia

  

都市公園法

地方自治体が設置・管理する公園については、都市公園法都市緑地法が関連してきます。

都市公園法でいえば、平成15年の法改正により仮設の占有物件の設置が可能になり、公園内でのイベント開催の道が拓けました。

また、平成16年には公園施設(売店を含む)の設置・管理を民間事業者も行うことができるようになり、公園内に民間事業者が売店を設置・管理することが可能になりました。

 

それを受けて、日本第一号の公園内スタバとして富山市の富岩運河環水公園にスタバが作られました。

その後は東京上野公園内など公園内スタバが国内にも数カ所見られるようになっています。

 

公園の維持管理費と土地使用料

公園はその維持管理費が自治体の負担になりますが、売店などから土地の使用料を徴収することにより、維持管理費の一部をかまなうことができます。

都市公園法改正により、これまでおカネがかかるだけであった公園から使用料などの収益を得ることができるようになりました。

また、人気売店公園の活性化、さらにはその地域の活性化にもつながります。

 

平成29年度の法改正として、公園内での民間事業者による事業可能期間が10年から20年に伸ばすことが検討されています。

これによって民間事業者の公園内への参入可能性が広がり、公園の活性化とともに自治体の維持管理費負担が軽減されることが期待されます。

日本経済新聞

報道発表資料:「都市緑地法等の一部を改正する法律案」を閣議決定 - 国土交通省

 

参考書籍

公園のマネジメントについて詳しく知りたい方は次の書籍が参考になるかと思います。

 

「RePUBLIC 公共空間のリノベーション」(馬場正尊+Open A、学芸出版社、2013年)

難易度★★☆☆☆

公共空間のリノベーションについて豊富な事例を交えながら解説しています。

 

公園のリノベーション事例役所、学校、図書館など事例を交えながら公共空間のリノベーションの可能性について解説しています。

分かりやすい事例とともにイラスト豊富で非常に読みやすいながらも内容はしっかりとしていて、公共施設等の今後のあり方を考える際にもオススメの一冊です。

 

RePUBLIC 公共空間のリノベーション

RePUBLIC 公共空間のリノベーション

 

 こちらは続編です。

PUBLIC DESIGN 新しい公共空間のつくりかた

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