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地方公務員のための情報発信地

公務員、特に自治体職員に関わる情報をオススメの本の紹介とあわせて発信していきます。財政ネタが多めです。

自治体に内部統制を導入

公務員 内部統制

内部統制の導入という報道

年明け早々の日経新聞の記事ですが、自治体の内部統制の整備を進めるという記事がありました。

職員の不祥事防止、首長に対策義務付け 地方自治法改正へ :日本経済新聞 

自治体は国からの「要請」という形で各種制度導入を求められることはよくありますが、

今回は地方自治法という自治体の根幹となる法律を改正するという気合の入れようです。

 

改革の背景

昨今、職員による金品の横領などの不正課税ミスなど事務のミスが報道されています。

ある業務を担当者1人に任せっきりにして、その人しかその業務ができなくなっているため、異動もなく、長年1人で業務を行う。

そうすると、やりたい放題、、、

といったケースや

引継ぎマニュアルが不十分という状況の中、業務を行うことによるミス、

業務の相互チェック(ダブルチェック)が不十分であるためのミス

など公務の中で不正やミスが発生することがあります。

 

このような不正やミスの発生を防ぐために、内部統制の整備がうたわれています。

 

内部統制の整備目的

内部統制は、不正や業務上のミスの発生を防ぐために構築する仕組みであり、

・業務マニュアルの整備

・業務のダブルチェック体制の構築

・定期的なジョブローテーション

・システムのIDについて不要になったものがないか定期的な確認

など組織を安定的に運営することに寄与します。

 

上場企業では経営者は内部統制が適切に整備・運用されているかの評価をすることが求められています。

また、財務諸表の監査とともに内部統制の経営者による評価について監査法人の監査も受けます。

 

内部統制の整備・運用は少々手間がかかりますが、

不正やミスの発生防止によって組織の長期的な安定につながります。

また、担当者個人レベルでも不正への誘因(不正できると思うと魔がさすことも?)が減り、

ミスの発生も組織的対応によって防ぐことができます。

仮にミスが起きたとしても個人の問題ではなく、ダブルチェックを含め、組織の問題として対応されることになります。

そのため、担当者個人をミスの発生などから守るという意味も持っています。

今回の自治法改正では、首長が内部統制を構築することによって職員による不正が起きた場合に、首長の責任を緩和するということが意図されています。

 

参考書籍

内部統制について詳しく知りたい方は次の書籍が参考になるかと思います。

 

「日本版SOX対応を業務別にやさしく解説 内部統制で現場の仕事はこう変わる」(原国・矢野、ダイヤモンド社、2007年)

難易度★★★☆☆

大手監査法人である監査法人トーマツ公認会計士が書いた本です。

上場企業を想定したものですが、内部統制の基礎が分かりやすく書かれています。

仕入や販売在庫管理など自治体には馴染みのない箇所もありますが、開発土地の販売や債権管理、貸付金の回収など関連する業務を考えながら読めばなるほどなという箇所も多いかと思います。

特にIT内部統制の記述は納得でした。

「内部統制の統合的枠組み 理論編」(羽鳥・八田・高田、白桃書房、1996年)

難易度★★★★★

内部統制の大家による書籍です。

専門的ですが、内部統制の概念と基本を理解するための1冊。

下のツール編とあわせて読めば、様々な内部統制への応用力が付きます。  

内部統制の統合的枠組み 理論篇

内部統制の統合的枠組み 理論篇

 

 

「内部統制の統合的枠組み ツール編」(羽鳥・八田・高田、白桃書房、1996年)

難易度★★★★☆

前述書籍のツール編です。内部統制の例示が多く辞書のようにも使えます。

日常の業務で生じうると思われるミスなどのリスクを考え、それに対応する内部統制を考えるという内部統制の基礎が身につきます。

内部統制の統合的枠組み ツール篇

内部統制の統合的枠組み ツール篇